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最恐・最強・最高のインスピレーション作品!

No. 790(2014.11.15発行)
進撃の巨人

個性豊かなクリエイター6組に『進撃の巨人インスパイアの自由なクリエイションをオーダー。名シーンや作品世界の現実化から、全く違う発想のもと生まれた二次創作まで。独自性のある“アート”が出揃った。ここでしか見られない、新たな作品世界を見よ。

ダンボールアート|『囚われた女型巨人』大野萌菜美

ダンボールを自在に操るアーティストの大野さんが再現に挑んだのが、女型巨人を捕獲するコミック6巻の名シーンだ。
「筋張った体や、鬼気迫る表情など、特に印象に残ったのがこの一コマでした。原画にも負けない躍動感を出すためにあえて下半身のスケールは大きくズッシリと。その方が、強靭な体に見せられるんじゃないかなと…。ピンッと張ったワイヤーの太さや、大木の樹皮のようにクシャッとさせた質感まで、よりリアルに見せるためにダンボールで表現できるすべてを出し切りました。今にも飛び出てきそう、と思ってもらえたら嬉しいです」

おおの・もなみ/1991年和歌山県生まれ。2014年大阪芸術大学キャラクター造形学科卒業。在学中からダンボールを使った作品制作をスタート。展覧会などの情報はウェブ(http://mbrid01.wix.com/monamour-monaroom/)をチェック。

デッサン|『平穏が訪れたリヴァイの休日服』信國太志

巨人が駆逐され、壁外で暮らせる平穏な日が訪れたらリヴァイ兵長は何を思うか。信國さんは、そんな妄想から、彼のための休日服を考えてペンを走らせた。「芯がある人ほど喪失感はきっと強い。リヴァイ兵長にとっては物足りない時代じゃないかと思って…。彼にとって新たなライフワークになるように“命を宿すケープ”を考えました。いつでも人命を救えるようにAED(自動体外式除細動器)専用ポケットが背中に付いていて、花咲か爺さんのように内ポケットに入った植物の種をまいて歩く。平和を望む彼の思いを洋服の細部に詰め込んでいます」

のぶくに・たいし/1970年熊本県生まれ。セントマーティン美術学校卒業後、98年に自身の名を冠したブランドを設立。デザイナーとして活躍する傍ら、老舗テーラーサロンで修業を積み、現在はSARTOと提携してテーラーとして活動中。

デザイン|『第1189回壁外調査時 ユニフォーム』相澤陽介

ファッションデザイナー的な考察で制作した、いつかは作れる(かもしれない)近未来のユニフォーム。仕様や素材について相澤さん自らに解説してもらった。「巨人と1対1でも引けをとらないように機動力とスペックアップが必要だと感じました。そこで殺傷能力の高いブレードを無数に取り付けたグローブを装着。さらに縦横無尽に動けるようにシューズにはジェットエンジンを搭載。武器を纏った最強のスーツです。伸縮性に優れた特殊樹脂繊維のインナーや、モーターサイクルパンツと同じアクションプリーツ仕様など、動きやすさも考慮しています」

あいざわ・ようすけ/1977年埼玉県生まれ。多摩美術大学卒業後、コム デ ギャルソンに入社。2006年にホワイトマウンテニアリングのデザイナーとしてデビュー。Moncler WやBURTON THIRTEENを手がけるなど、多岐にわたり活躍。

鉛筆彫刻|『立体機動装置』山崎利幸

鉛筆の芯の幅はわずか3㎜。人間業とは思えない細かな作業で、極小の立体機動装置を削り出した、鉛筆彫刻家山崎さんにとっても今回は挑戦だった。「やるなら驚きのあるものにしたい。だから初めから複雑なデザインの立体機動装置しか考えていませんでした。ただ、やってみるとかなり難易度が高くて…。特に苦労したのが、ブレードのトリガー部分とワイヤーの曲線。軟らかくて加工のしやすい4Bを選んだので神経をすり減らしながら作業を続けました。約2週間は毎晩、アトリエにこもっていたかな。集中しすぎてよく覚えていません(笑)」

やまざき・としゆき/1969年山梨県生まれ。鉛筆の芯を削り作品を生み出すアメリカ人アーティスト、ダルトン・ゲッティに影響を受け、2011年に鉛筆彫刻家としてデビュー。エンジニアとして会社に勤務しながら創作活動を続けている。

アトラクションプラン|『超大型巨人迷路』秋山具義

超大型巨人をモデルにした“超大型迷路”は、アートディレクター・秋山さんらしいユーモアのある発想から生まれた。「巨人と聞いてまず頭に浮かんだのが、度肝を抜くような巨大なアトラクション。真っ先に思いついたのが巨大迷路でした。だって超大型巨人の筋張った顔ってどこか迷路っぽく見えません⁉  実際に開園するなら諫山創さんの故郷がある大分県日田市大山町に造れたらいいなぁって想像したりもして…。子供からお年寄りまで楽しめるようにちょうどいい難易度のコースにしています。誌面を指でなぞりながら挑戦してみてください」

あきやま・ぐぎ/1966年東京都生まれ。テレビCMや広告を中心に数々のアートディレクションを担当。UHA味覚糖×『進撃の巨人』による、『進撃のちょ人』キャンペーン(http://shingekichojin.jp/)のプロモーションも行う。

ポスター|『5歳児向け絵本風ポスター』小西利行/宮内賢治/大塚いちお

まだ『進撃の巨人』を知らない(だろう)
世代を振り向かせるために、小西さんの呼びかけでクリエイター陣が集結した!
「新規ターゲットに興味を持たせることが広告ポスターの持つ力だ、と思います。イカツくて恐怖を感じる作品だけに、おそらく幼児はまだ手に取ったことがないんじゃないかなと…。そこで5歳児に向けた絵本風のポスターを思いつきました。コンセプトというか、落としどころは幼児に響くようなメルヘンでとぼけた世界観。ご飯を食べている人間がさらに巨人に捕食される。そんなシュールなシーンを(大塚)いちおさんに可愛く描いてもらい、“いただかれまーす。”というすっ頓狂なキャッチコピーをつけました。これで読者層がさらに広がると嬉しいですね(笑)」(小西利行さん)

こにし・としゆき/1968年京都府生まれ。博報堂を経て2006年POOL INC.設立。コピーライター、絵本作家などの顔を持つ。
みやうち・けんじ/1975年東京都生まれ。2012年からPOOL INC.に参加。広告を中心にアートディレクションを担当。
おおつか・いちお/1968年新潟県生まれ。イラストレーターの枠を超え、アートディレクションも数多く手がける。

photo/
Yoshio Kato
text/
Keiichiro Miyata
edit/
Keiichiro Miyata

本記事は雑誌BRUTUS790号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は790号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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進撃の巨人(2014.11.15発行)

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