Charlotte Perriand|シャルロット・ペリアン
無垢の木が持つカタマリ感を残しつつも、愛らしくユーモラスにデザインされた小さなスツール。ル・コルビュジエらとともに数々の名作を手がけたシャルロット・ペリアンの、代表作の一つ。羊飼い(ベルジェ)が使う小椅子からヒントを得たというだけあって、腰を下ろした時の安定感が抜群。分厚い座面はなだらかにへこんでおり、尻への当たりも柔らかい。「シンプルな自然素材は、創造力をかきたてる」が口癖だったペリアンは、モダンなデザインを手がける一方で、木の味わいを生かした原始的なフォルムを愛好。農民の暮らしに見る伝統技術を応用したデザインも多かった。また、建築家・坂倉準三の尽力で1940年に来日して以降、何度も日本を訪れては各地の伝統工芸職人と交友。日本のデザインに大きな影響を与える。53年にデザインしたこのスツールも、世界初披露されたのは、55年に東京で行われたコルビュジエらとの3人展だった。
- photo/
- Satoshi Nagare
- text/
- Takahiro Tsuchida, Masae Wako, Akio Mitomi
- edit/
- Rie Nishikawa
- styling/
- Yumi Nakata, Makiko Iwasaki
本記事は雑誌BRUTUS788号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は788号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。