因幡の白兎

みやげもん

No. 787(2014.10.01発行)
世界で生き抜く50の知恵
製作中のはこた人形。
様々なサイズのはこた人形とともに傍らに並ぶ因幡の白兎。写真左隅に写っているのが起き上がり。1,500円。赤瓦2号館 はこた人形工房☎0858・23・6666。

大国主命が助けた白兎にちなむ倉吉の兎だるま。

 鳥取県倉吉市に伝わる郷土玩具といえば、有名なのが「はこた人形」。着物姿の女性をモチーフにした張り子人形で、江戸時代後期から伝わる玩具です。「はーこさん」とも呼ばれ、乳幼児の枕元に置いて厄災を背負わせて厄除けにする形代である御伽母子が転じてこう呼ばれるようになったといわれています。この人形は、今も鳥取を代表する玩具として作り続けられていますが、製作元である備後屋には、はこた人形のほかに、あまり知られていないもう一つの張り子が伝わっています。それが今回ご紹介する「因幡白兎」。あの大国主命に助けられた白兎にちなむ起き上がりの張り子です。大国主命の有名な神話の舞台である因幡は、今の鳥取県東部、現在の八頭郡のあたりとされており、それにちなんだ玩具です。あまり目立たない存在だったのですが、愛嬌ある表情は、看板商品のはこた人形にも負けていません。備後屋さんは代々続いてきた職人さんの家系が2年前に途絶えてしまい、現在は保存会という形で、はこた人形、因幡白兎、起き上がり、首振り虎の4つの玩具を継承して製作を続けています。

edit/
Shogo Kawabata

本記事は雑誌BRUTUS787号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は787号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.787
世界で生き抜く50の知恵(2014.10.01発行)

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