ライフスタイル

江刺馬ッコツナギ

みやげもん

No. 784(2014.08.16発行)
松浦弥太郎の男の一流品カタログ
水路に奉納された馬ッコツナギ。長い足が翼のように広がっている。
みちのく民俗村は、北上川流域にあった江戸〜大正時代の建築物が移築された野外博物館。☎0197・64・1756。

まるで翼のような足を持つ、天翔ける藁馬。

 岩手県の農村には、旧暦の6月15日に稲藁や麦藁で馬を2頭作り、田の水口や畑、井戸、道の分岐点、神社の境内などに奉納する習慣があります。地域によって馬の作り方が様々で、江刺の馬は、足が非常に長く作られるのが特徴。体も非常にスマートで精悍な印象の作風です。この足を中ほどで折り曲げて地面に立てたり、綱を渡して、馬を吊り下げたりして供えます。2頭のうち1頭は神様の乗馬ですが、もう1頭は荷馬とされていて、うるち米を潰して固めたシトギを、葛の葉に包んで背負わせました。また、ほかの地域では、雌雄で作り方が異なる場所もあるのですが、ここ江刺の場合は、同じ馬を2体一対で作っています。
 この馬ッコツナギの風習は、 江刺では昭和30年代まで行われていましたが、現在は行われなくなってしまいました。地元のみちのく民俗村内にある北上市立博物館にて保存活動が行われており、藁馬の製作体験が行われています。民俗村内には、水田やお堂などの、古い農村の様子が再現されており、自分で作った藁馬を使って、奉納までの一連の民俗行事を体験できます。

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edit/
Shogo Kawabata

本記事は雑誌BRUTUS784号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は784号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.784
松浦弥太郎の男の一流品カタログ(2014.08.16発行)

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