しゅうまいバー ピセロ/アガリコ 餃子楼

グルマン温故知新

No. 784(2014.08.16発行)
松浦弥太郎の男の一流品カタログ

小さくてもパワフル。4坪の餃子バルと5坪の焼売バーへ。

餃子、焼売と聞くと、思わずごっくん、よだれが出そう。今や、日本の庶民フードの代表と言っても過言ではないこの2つの点心を、スペシャリテとして打ち出す店がある。どちらも紹興酒は置いているけれど、ワインが合う料理。どちらもリピート必至&女子率高し。

しゅうまい5個ミックス 上から時計回りに、真珠玉(もち米を周囲に、餡は干しエビ入り)、トウモロコシ(今が旬)、ウズラ卵、エビ、肉の5種。肉は三元豚を使用。それぞれ1種類ずつも注文できる。小さいながらボリューミー。上からかぶせたり、くるんだり、側面だけにしたり、巧みな焼売の皮使いにも感心する。1,080円。

豚の角煮+割包 八角や陳皮(ミカンの皮を干したもの)などを隠し味に加え、コトコト3時間煮込んだ角煮。煮汁は継ぎ足し、継ぎ足しだそう。高菜の炒め物を添えて、ふっくら割包に挟んで食す。500円。割包の追加150円。

ササミの紅麹揚げ 紅麹は赤米で作った麹のこと。台湾では客家料理によく使われるのだそう。ふわっカリッの衣、紅麹の独特の香り、軟らか〜いササミ。これはたまらん、ワインください。鮮度抜群のレタスとエゴマの葉でくるんで。750円。

しゅうまいバー ピセロ

学芸大学

焼売でワインとは何ともおしゃれな隠れ家バー。

 ドアを開けると別世界。日本みたいだが、台湾のようでもある。いや、パリのエスニックビストロかもしれない。不思議な異国感が漂う店だ。最初は台湾で習い覚えた巻(中華風蒸しパン)をテイクアウトする店だったのだが、改装し、焼売をメインにワインが楽しめるバーにした。ビールも紹興酒も置いてはいるが、店主の麦野詩碧さんのおすすめはワインだ。やさしい味の中華ゆえ、「料理が負けないワイン」に絞り、オーストリアスイスなどヨーロッパ系のワインを揃えている。飲みやすく上品な味わいだ。
 メニューは厨房の上の黒板でチェック。中心はもちろん焼売。そして餃子、角煮+割包(=角煮まん)、さらに十数種の「本日の小皿&一品料理」。ビーツの葉と卵炒め、レモンチキンとおかひじき炒めなどなど、「野菜あっての料理」が並ぶ。野菜は農家直送。有機野菜が多いそう。一度じゃムリ。全制覇するために何度か来なければ。

手づくり餃子 丁寧に手作りされた、ちょっと厚めの皮はもっちりモチモチ。噛み締めると肉汁ジュワッ。うふっ、ジューシー。餡は野菜ベース。しっかり水出ししたキャベツ、ニラ、ネギなどがたっぷり。旨味調味料を加えず、味噌やオイスターソース、山椒などで巧みに味と香りを紡ぎ出す。ゴマだれでどうぞ。350円。

チャーシューグリル 写真ではこのボリュームをお伝えできないのがザンネン。厚さ、およそ10㎝。豚バラブロックをゆでてから、ラードベースのオイルでコンフィに。その後、調味料を加えて3時間煮込み、さらにグリルしたもの。500円。

本場の汁なしタンタン麺 麺は中華麺ではなく、近くにある〈アガリコ1/3〉でも使用している生パスタ。つるりんと滑らかでもっちもち。ボリューム満点なので、何人かとシェアがおすすめ。よーくかき混ぜて、底のたれと合わせて〆に。750円。

アガリコ 餃子楼

北千住

北千住がぐっと面白くなったね、餃子バル。

 ハッキリ言って、店作り、うますぎます。ツボを突かれました。今度は餃子なんですね?
 池袋のオリエンタルビストロ〈アガリコ〉はじめ、〆は手打ちうどんのジビエ割烹〈和ガリコ〉など、面白い業態を次々生み出している大林芳彰さんが監修する新しい一軒。餃子を核に展開する中華バルだ。オーナーシェフは大林さんの実弟、清野彰さん。餃子の皮を手作りする、チャーシューをじっくり時間をかけて炊き上げる……すべてイチから勉強したという。
 ここは北千住。飲み屋さんが立ち並ぶオッサンの街から、最近はバルの街に変身。女子一人でも行ける店が増えている注目エリアである。この店も女性客で満杯。餃子とビールで盛り上がっている。餃子以外にも、ザーサイポテトサラダやら、ピリ辛チャーシューネギサラダといった、そそられるものばかり。ビールの後は、シャンパーニュやワインを。ちょい飲みから腰据え飲みまで楽しもう。

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しゅうまいバー ピセロ
学芸大学
女子、男子同士でも、
気軽なデートにも。
1人で軽く食べて、
飲んで3,000円。
03・3760・8860

●東京都目黒区鷹番3−19−19。18時〜23時。日曜・月曜・祝日休。交通:東急東横線学芸大学駅から徒歩5分。カウンター7席、テーブル2席。白いランチョンマットの刺繍といい、象牙の扇面の箸置きといい、また、友人が作ってくれた店のミニチュアといい、器といい、かわいいものだらけ。最初はキョロキョロしてしまう。焼売は、春はタケノコ、冬はヤーコンといった具合に季節の味もあり。野菜は群馬で完全無農薬50年の畑のものをはじめ、能登や長野から届く有機野菜が中心。野菜の顔を見てメニューを決めるという。グラスワインはシャルドネ550円、リースリング650円、赤はプリミティーヴォ600円など。

アガリコ 餃子楼
北千住
食事に行く前にちょこっと、もあり。デートにもぜひ。
1人で軽く飲んで食べて
2,000円〜。
03・6806・2199

●東京都足立区千住1−39−12。17時〜翌3時(日〜24時)。月曜休(祝日の場合は火曜休)。交通:JR・東京メトロ北千住駅から徒歩3分。ビールと一緒に食べたい、ちりめんじゃことカシューナッツのピリ辛炒め、肉味噌もやしといったプチ・タパスはオール250円、四川風よだれ鶏、ザーサイ冷や奴といった中華タパスはオール450円。餃子は手づくり餃子のほか、にんにくダレ、ベジの3種各350円、鶏パイタンの水餃子、茹餃子マーラーソース各480円、サンラータン水餃子500円もあり。目玉はトリュフシューマイ500円と骨付きチューリップのチューリンチー(油淋鶏)500円。愉快なオリジナルのワンカップワイン500円と。

photo/
Akihiro Nagata
text/
渡辺紀子

本記事は雑誌BRUTUS784号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は784号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.784
松浦弥太郎の男の一流品カタログ(2014.08.16発行)

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