ごはん なる川/ごはんや パロル

グルマン温故知新

No. 781(2014.07.01発行)
ドラマがつまらないなんていったのは誰だ!

料理を作ることが天職、そんな女性たちの「ごはんや」。

〈ごはん なる川〉の成川照美さんが店を出したのは還暦過ぎ。〈ごはんや パロル〉の桜井莞子さんも70歳過ぎてから。料理を作ること、料理で人を喜ばせることが好きな彼女たちの店は「ごはん」をテーマに日常の食をレベルアップ。まだまだ攻めの姿勢には脱帽!

夜のご飯セット メインは銀鮭、豚のしょうが焼き、サバの干物、アジの開きから選べる。銀鮭は、築地で仕入れる。小鉢は2種(春雨サラダ、昆布とナスの煮物)、自家製のキュウリの浅漬け、味噌汁、ご飯で1,200円。ごはんやの基本である米は島根県産のきぬむすめ。知人の農家から毎週必要な分だけ精米して送ってもらう。

レンコンと明太子のバター和え 地味ながら根強い人気の野菜のおかずがこちら。明太子のピリカラとバターの風味がレンコンによく絡む。酒のつまみにもぴったり。夏場に一時期レンコンがなくなる時期があるが、ほぼ年間を通してオンメニュー。650円。

牛肉とエリンギのオイスターソース炒め 肉のおかずはボリュームがあり、男性客に人気がある。オイスターソースの甘辛い味と和牛のコクにはご飯が欲しくなる。1,000円。豚ロースの麹味噌焼き800円、肉じゃが600円、チキン南蛮900円なども定番人気。

ごはん なる川

●市ケ谷

安くて安心、愛ある“ごはん”食堂。

 30年近く編集プロダクションを経営する成川照美さん。5年前に四谷三丁目から市ケ谷に引っ越してきたが周辺はラーメンの店ばかり。そこで「とにかく、自分たちのためだと思って、定食の店を作ったのよ」。
 女性誌の旅やグルメの取材を得意としてきただけに、料理や素材の知識も豊富。「素材を生かして、できるだけ“余計な手を加えない料理”を心がけています。料理にいちばん大切なのは“愛”(笑)」。定食セットは昼1,000円〜、夜1,200円〜、銀鮭や豚のしょうが焼き、アジの開きなどメインが選べる。一品料理も干物や肉炒めなど、おかずにも酒のつまみにもなる品がズラリ。しかも、のどぐろの干物1,300円! 「みなさん、この値段に驚きます。でも、うちは焼くだけだから」と涼しい顔。料理に使う油や塩分はあえて強くしていないのも〈なる川〉の味。最終的に、成川さんが何度も味見をしたうえで完成する。それが成川さんの“愛”の証明。

3,800円のコースより コースのメインは串揚げ。串揚げ5種は左から、ズッキーニ+チーズ、豚肉+ミョウガ、広島の子持ちこんにゃく(超不思議な食感!)、大根、鯛。(左上から)薬膳ソース、タルタルソース、塩などで味に変化をつけて楽しもう。単品だと1品210円〜。ご飯と味噌汁、漬物も自家製。単品だとご飯セット700円。

ポテトサラダ 単にポテトサラダと書いてあるが、その日によって内容が違う。この日はクリームチーズのコクとユズコショウがピリリと効いた大人の味。ケッパーとエシャロットと卵、粒マスタードとオリーブオイルなどの日も。800円。

ニラのお浸し お浸しも基本の一品。ニラやホウレン草など、その季節の野菜が登場。ただし、このニラはダシだけでなく、卵黄を加えてトロリとした食感とまろやかな味に仕上げてある。その一手間がここならではの味。700円。

ごはんや パロル

外苑前

青山で復活! 和だけでなく、中、伊もお得意。

 料理が好きでケータリングを始め、料理研究家の先駆けとして知られた桜井莞子さん。一時期、西麻布で営業していた〈パロル〉は編集者や業界人の“食堂”だった。その後、東京を離れ、料理教室を開いて10年。「70歳を過ぎてそろそろ引退かな、と弱音をはいたら、友人に“何言っているの、これからじゃない!”って怒られちゃって。じゃ、もう一度やってみるかって気になったの」。東京に戻り、あっという間に〈ごはんや パロル〉が5月15日に誕生した。
 カウンターにはおばんざいが10品ほど並び、アラカルトでもコース3,800円でも気楽に楽しめる。お浸し、煮込みなどなにげない料理だが、味わうとわかる素材の味とそれを引き立てるダシ。「利尻昆布とカツオ節はたっぷり使います」。だからどの料理にも深みがある。桜井さんは和食を、中華系、イタリア系の惣菜は20年来の友人、出村明美さんが担当。飲む人も、食事の人も満足する充実のメニュー揃い。

ごはん なる川
●市ケ谷
肉も魚もしっかり食べて
体調管理したい時。
食べて飲んで1人3,500円、
食べるだけなら2,500円。
03・3262・1303

●東京都千代田区九段南4−7−22 メゾン・ド・シャルーB101。11時30分〜14時LO、17時30分〜21時LO。土曜・日曜・祝日休。交通:JR市ケ谷駅から徒歩5分。カウンター5席、テーブル24席。もともと牛乳屋の倉庫だったという店内は2つのスペースに分かれている。手前はカウンターと2テーブル、奥はベンチシートのカフェ風空間。定食セットは昼1,000円、夜1,200円。夜の飲み客は一品料理であれこれ楽しんでからご飯セット600円を加えるコース仕立てが◎。名物の干物は常時10種類前後。いわしの丸干し500円、さんまの丸干し600円など。一人客、家族連れ、会社帰りのグループなど、幅広い客層で昼も夜もにぎわう。

ごはんや パロル
外苑前
野菜不足、栄養不足、
体を積極的に癒やしたい時。
食べて飲んで
1人5,000円前後。
03・6434・5959

●東京都港区南青山2−22−14 フォンテ青山101。18時〜23時(22時LO)。土曜・日曜・祝日休。交通:東京メトロ外苑前駅から徒歩2分。カウンター6席、テーブル8席。コース3,800円には、お惣菜3品(10種から選ぶ)+串揚げ5種、ご飯と御椀と御漬物。アラカルトはおばんざい、肉、魚、揚げ物、サラダ、〆のご飯&麺。お酒はワイン、焼酎、日本酒、なんでもあり。日本酒は桜井さんの好きな純米4種、1合700円〜。アラカルト、コースにかかわらず、お通し500円(基本2品でダシと寄せ豆腐に大根の和風リゾットなど、ダシの味がわかるもの)。シンプルで薄く、センスがいい器は、黒田泰蔵氏の作品が中心。

photo/
Muneaki Maeda
text/
犬養裕美子

本記事は雑誌BRUTUS781号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は781号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.781
ドラマがつまらないなんていったのは誰だ!(2014.07.01発行)

関連記事