映画テレビ

日常のそばにあるドラマこそ、しっくりくる。|高橋ヨーコ

わたしのドラマ遍歴。

No. 781(2014.07.01発行)
ドラマがつまらないなんていったのは誰だ!

ブレイキング・バッド』も観てみたんです。でもドラッグを製造したりとか、あまりにも日常からかけ離れてる気がして、次を続けて観たいという欲求が出てこない(笑)。そういうのがあまり得意じゃなくって。よくできていて素晴らしいのはわかるんだけど……。
 好みの問題ですかね。映画でもSFやアクションとかはあまり観ないし。「日常のすぐそこに、こんなことが」というのがいいんです。『ブレイキング・バッド』も実はそういう話なんですが、やっていることがすごすぎて。出てくる若い人もトゥーマッチで、そこが疲れちゃう。(人間が)ちゃんとしている方が好きですねぇ。
 最近面白いなぁって思うのは『ハウス・オブ・カード』。もともと女優ロビン・ライトがすっごく好きなんで。ショーン・ペンの昔の奥さん。出演しているとは知らずに観始めたから、ビックリして。これがまた、キーポイントになるイイ役なんですよ! 主役のケヴィン・スペイシーも好きだけど、彼よりいいんじゃないかな(笑)。クオリティが高いし、俳優さんたちのすごさが「絵」から伝わる。もはや映画ですよ。しかもネットフリックスがオンデマンド用だけに製作しているという!
『マッドメン』を観ても、「みんな演技うまいな〜」って思いますね、失礼な言い方ですけど(笑)。やっぱりキャスティングが見事。たまに、作品自体は面白いのに主人公のキャスティングが良くなくて感情移入できず、観ていられないっていうのもありますもんね。

iPadやプロジェクターで好きな時間に視聴する。

『シャーロック』も好きですね。早口でいっぱいしゃべるから聞き取りが難しいんだけど。アメリカに住む友達と「どう? 最近面白いドラマあった?」って話をよくするんですが、イギリスに住んでいた友達とかは特にハマってます。時代考証がしっかりしていて、時間かけて作ってる感じ。イギリスのドラマはよく観ます。若者向けの『Skins』が結構面白かったですね。アメリカのドラマは役者さんもツルッとしてるじゃないですか、メイクとかキレイすぎて。イギリスのドラマは女優さんの肌を汚く映していたりするので「これってあり⁉」って。で、結構リアルなんですよね。ティーンの子がドラッグをキメまくったりするのを普通に描く。こんなの日本では絶対作れないけど「イギリスではこれが普通なんだぁ」って思いながら観てました。室内の感じもイギリスリアルだけど、アメリカのは(作り物ぽくキレイで)「ちょっとこんなのないよね」って感じる。ここに住んで英米両方を見比べるのは面白いです。
 英・豪・NZ共同製作のミステリードラマ『トップ・オブ・ザ・レイク』も好きでした。主役の女刑事を演じるエリザベス・モスの顔立ちが独特で。『マッドメン』にも出てましたねぇ、彼女。
 アメリカに住んで最初にハマったのが『マッドメン』。なんとなく面白そうで観始めたんです。英語もまだよくわからなかったので、日本語のあらすじをネット検索したりして(笑)。リスニングの勉強としてドラマを観始めたというのはありますね。映画よりも日常会話が多いし。
 日本ではドラマをちゃんと観た記憶がないんです。『サザエさん』とNHKくらいしか観せない親だったので、子供の頃からテレビを観る習慣があまりなくて。東京で暮らしていた時もテレビはサッカーと映画だけ。それがアメリカではドラマ好きに(笑)。娯楽としての質の高さ、あと好きな時に観られるのも大きいですね。
 テレビは持っているけど、ケーブルに加入していないのでドラマを観るのはもっぱらネットフリックスYouTubeiPadかパソコンでの視聴です。最近は移動中の飛行機で観ることも増えましたが、寝る前に雑誌を読む感覚で観ることが多いかも。あとプロジェクターにiPadかパソコンを繋いで、自宅の天井に映して観るんです。やっぱり迫力が! ホリデイの時など、寝っ転がって映画のまとめ観をしたりとか。こちらに住む、私のまわりの友人も皆パソコンやiPad、プロジェクターとネットフリックスを使ってますね。
 今は映画とドラマの境目がなくなってきているし、自分の中でもあまり区別してません。一気に観たいタイプなんで、ドラマだと全話出切ってから観たい。時間を置いてしまうと忘れてしまって観なくなるんです。毎週何かを観る、という習慣がこれまでなかったからかな。
 そうそう、昔ブームになった『ツイン・ピークス』はアメリカに来て初めて観たんですよ。冒頭の映像と音楽にもう一発で持っていかれて。まさに「日常のすぐそこに、こんなことが」なドラマ。当時リアルタイムで観ていた人が羨ましい!(談)

高橋ヨーコ

京都府生まれ。広告や雑誌、写真集など幅広い活躍で知られるフォトグラファー2010年より拠点をサンフランシスコに移し、日々世界を飛び回っては精力的に活動中。12年より、ビジュアルジャーナル『Ontario』を制作、発信する。

edit/
Mika Yoshida

本記事は雑誌BRUTUS781号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は781号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.781
ドラマがつまらないなんていったのは誰だ!(2014.07.01発行)

関連記事