ラ・ボンヌ・ターブル/アターブル

グルマン温故知新

No. 780(2014.06.16発行)
もっとおいしい酒場

「ターブル」って言葉には食卓を囲む喜びがあふれている。

ターブルってテーブル、つまり食卓のこと。店名に「ターブル」をつけるってことは、みんなで食卓を囲んで楽しんでほしい、という願いが込められているように思います。気の合う人たちと、気取らず、気楽に飲み食いしつつ、おしゃべりしようって店2軒。

石黒農場から届いた食鶏の女王ほろほろ鶏のロースト メニュー名はさらに続き、「その焼汁と内臓のタプナード、緑アスパラガスと原木で育てたシイタケのバター焼き、古代穀物スペルト小麦」。岩手・花巻の石黒農場のほろほろ鶏を丸ごと使用。胸肉とモモ肉には別々に火を入れ、肝、ハツ、砂肝はペーストに。セミドライの黒オリーブを散らして。コースの一品。

炭で炙った鰹、サザエのドレッシング 「三陸のワカメ、すり潰した焼き茄子、おかひじき、フルーツトマト、新倉ファームから届いたバジルレッドルビン」。サザエのすべてを使ったドレッシングがスモーキーなカツオと合う。思わずワインが進むコースの一品。

香ばしく焼いたイサキ 「長芋、アサリ、コゴミ、ワイルドライスのリゾット、エコファーム浅野のごぼうで作ったスープを注いで、信州エリンギ、クレソン」。イサキは皮の表面をしっかり焼き、身はふっくら。リゾットがいい。コースの一品。

ラ・ボンヌ・ターブル

●三越前

食卓を囲む喜びを与えてくれる、いい店できた!

 明るい、ともかく明るい。何がって、このレストランのスタッフ全員が、見事に明るいのだ。皆の元気がいいから気持ちがいい。実はここ、「2014アジアのベストレストラン50」で25位にランクインした西麻布〈レフェルヴェソンス〉の姉妹店。人気沸騰中の日本橋界隈。その中心ともいうべきCOREDO室町2に誕生したのだが、その喧噪とは隔絶された、エレガントでおしゃれなレストランだ。ビルの中にありながら、入口は通り側。案内された席に座れば、ロフト風の高い天井がいいですねぇ。
 料理は昼も夜もプリフィクス。生産者との密なるお付き合いがあればこそ手に入る上質の食材を駆使し、余すところなく使い切って、最高の状態で提供している。ユニークなのは、料理人さんたちがキッチンから直接テーブルまで運んできてくれること。ちょっと北欧〈noma〉を思い出すサービス。何から何まで気持ちがよくてハズレがない。今、絶対ハズせない一軒!

骨つき仔羊の背肉のロースト ニュージーランド産の仔羊を炭火とオーブンを使い分けながら、じっくりロースト。季節の野菜をたっぷり添えて。ソースは、骨からとったジュ(スープ)で作り、ローズマリーの香りをしのばせてある。乾燥させてみじん切りにした黒オリーブをアクセントに。ふっくら焼けた仔羊がたまらん一品。2,800円。

熊本県産馬肉のカルパッチョà table風 「馬肉は低カロリー、低コレステロール。おすすめです」と中秋さんと藤本シェフが口を揃える。ソース代わりに、白醤油とシェリービネガーで作ったジュレを。馬肉が口の中でとろっとしたところでワインをクッ。1,300円。

鮎のくんせい・あぶり焼きとクスクス あえて、脂肪分の多い養殖のアユを用い、塩締めしてから乾燥させ、ニンニク、セージ、オリーブオイルで1日マリネ。そのあと、桜のチップで燻製に。アールグレイで風味をつけたクスクスと彩り野菜を添えて。1,300円。

アターブル

●末広町

蔵前橋通りに突如現れるパリ⁉ 渋赤色の館へ。

 まるでパリにあるようなシックな扉を開けると、コの字形のカウンター席。そして、スコーンと高い吹き抜け。さっきまで歩いてきた蔵前橋通りとは、あまりに異なる雰囲気だが、その落差が非日常へと誘ってくれる。階段を上がると、2階はこぢんまりしたテーブル席だ。
 席に着くとまず出されるおしぼりはヒノキの箱入り。いい匂いで癒やされる。自家製の焼きたてパンも同様な木の箱に入って出てくる。知り合いの材木屋さんが作ってくれたものとか。
 オーナーの中秋陽一さんは、フランスで4年ほど修業をした料理人学芸大学〈イグレック〉
で、オーナーシェフとして腕を振るってきたが、そこを閉めての移転、そしてサービスへの転身である。料理を担当するのは藤本亮シェフ。やはり、フランス修業経験を持つ。「炭火焼きで、がっつりとお肉を食べていただきます」と中秋さん。ワインのセレクトもお任せして間違いなし。酒場使いもできそう。

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ラ・ボンヌ・ターブル
●三越前
お1人でもデートでも。
ソファ席なら密談も可。
2人でグラスワインと
料理で10,000円〜。
03・3277・6055

●東京都中央区日本橋室町2−3−1 COREDO室町2 1F。11時30分〜13時30分LO、17時30分〜21時30分LO。無休(ビルの休館に合わせ、元日含めて年に2日休)。交通:東京メトロ三越前駅A6出口から徒歩2分。店名は、かのミシェル・ブラスの命名。シンプルに「旨い店」の意だそうだ。旨い料理、旨いパン(大阪〈ル シュクレ クール〉製)、旨いワイン、旨いコーヒー(〈ミカフェート〉製)がコンセプト。最初から最後まで、おいしい。昼夜ともプリフィクスメニューで、ランチ3,600円、ディナー6,800円。ワインはすべて自然派。グラスワイン900円〜。ボトルは4,000円台〜。ランチにビールやワインという人多し。

アターブル
●末広町
カウンターで1人もよし、
2階でデートも女子会も。
2人で軽く飲んで食べて
10,000円ぐらい〜。
03・5812・2828

●東京都文京区湯島3−1−1 木村ビル1・2F。食事17時30分~23時LO(土・祝〜22時LO)、ドリンク・軽食〜24時30分LO(土・祝〜23時30分LO)。日曜休。交通:東京メトロ末広町駅から徒歩4分。メニューは黒板に。ある日のメニューの内訳は、「タスマニアサーモンのミ・キュイ 季節の野菜を添えて」1,300円、「富士酢で漬けたピクルス」550円など前菜が14種、おすすめの「極上お肉の炭火焼き」(山形牛ランプ、北海道産黒豚ロース)各3,250円や、「シャラン産窒息鳩胸肉のロースト」などメインが7種。ワインはグラス9種、580円〜。ボトルは5,000〜7,000円が中心で150種ほど。ワイン1杯からでもどうぞ、とのこと。

photo/
Akihiro Nagata
text/
渡辺紀子

本記事は雑誌BRUTUS780号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は780号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.780
もっとおいしい酒場(2014.06.16発行)

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