ライフスタイル

やっぱり、ラガーでしょ。

生島淳の僕しか知らないアスリートの秘密

No. 780(2014.06.16発行)
もっとおいしい酒場

 今回は私の話をさせていただく。スポーツジャーナリストは酒場に詳しい。みんな、試合後は呑む。呑むに決まっている。私の経験から「世界のベスト酒場シティ」を3つ挙げるとするなら、カーディフ(ウェールズ)、シドニーボストンの3都市。噂ではダブリン(アイルランド)がいいらしい。
 日本に目を転じると、京都の酒場が楽しい。気に入った店が、季節の移ろいによって佇まいを変えていく。それに  京都のお店の人はラグビー経験者がやたらと多いのだ。私が贔屓にしている川端二条の〈赤垣屋〉(昭和24年から現在の地で営業している名門)は、お燗番を務める4代目の伊藤剛氣さんが府立洛北高校でセンターを経験。3代目のお父さんも小柄ながらフォワードを務めていたというから、親子2代にわたってのラガーマンかつ、お燗番なのであります。
 また、究極のミニマリズムの酒場が集まる四富会館(どこもカウンターで8人くらいが限界)には、〈食堂清水〉というお店があり、ここの初代店主の清水さんは場所を移して〈とんかつ清水〉を開いたが、彼はなんと『スクール☆ウォーズ』のモデルとしても有名な伏見工業ラグビー部出身だ。
 どうして私の酒場レーダーにラガーマンが入ってくるのか? ラグビーには「アフターマッチ・ファンクション」という、試合後に敵味方関係なく酒を酌み交わす習慣があるからだと思う。楕円球と酒場。とても相性がいいのであります。

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いくしま・じゅん/スポーツジャーナリスト。著書に、『箱根駅伝コトバ学』など多数。

illustration/
土車大八

本記事は雑誌BRUTUS780号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は780号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.780
もっとおいしい酒場(2014.06.16発行)

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