その他

「おにぎりは、いつだって、おいしいの」

戌井昭人『沓が行く。』

No. 778(2014.05.15発行)
親と子

 さきほど空から落ちてきました。落下している最中に空気をたくさん吸い込んだので、ちょっとふくらんだので、とにかくお腹がすきました。そして、松の木陰でおにぎりを食べています。いっておきますが、わたしがおにぎりではありませんよ。おにぎりはわたしの手の中にあります。海苔につつまれたほくほくのおいしいおにぎりです。具は何かって? そうですね、それは、想像におまかせします。あなたも、お腹がすきましたか?

いぬい・あきと/〈鉄割アルバトロスケット〉主宰。劇作家、小説家。小説『すっぽん心中』(新潮社)で、第40回川端康成賞受賞。

本記事は雑誌BRUTUS778号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は778号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

No.778
親と子(2014.05.15発行)

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