エンターテインメント

賛否両論呼びそうな、主人公、百瀬の恋愛観。

BRUTUSCOPE

No. 777(2014.05.01発行)
居住空間学2014
百瀬陽(早見あかり)と偽装恋愛をする相原ノボル(竹内太郎)は次第に百瀬に惹かれていく。一方、百瀬が思いを寄せる宮崎瞬(工藤阿須加)は神林徹子(石橋杏奈)と順調に恋を育み…。

百瀬を演じた早見あかりの苦労と成長とは。

百瀬、こっちを向いて。』で、早見あかりが演じる百瀬陽は複雑な役どころだ。思いを寄せる先輩、宮崎瞬の恋愛をサポートするため、同級生、相原ノボルと付き合っているフリをするのだから。
 そんな百瀬恋愛観について、早見はまったく共感できないと断言する。
「彼女がいる人を好きになって、2番手でもいいからそばにいられればいいってことと、そのうえで、ホントは瞬と彼の本命の神林先輩が別れてほしいはずなのに、2人がうまくいくことを手助けするわけじゃないですか。そこがまったくわからないです。瞬の気持ちが自分に向かないと知ってるだろうし、絶対傷つくとわかってやってるなんて理解できません」
 そうキッパリ語る彼女だが、理解できない女の子を演じることは、自分ではない別の人の人生を歩むこと。それが面白く、また楽しかったようだ。百瀬について、監督からは野良猫のような女の子だと言われ、それが早見を悩ませた。
「ノボルを振り回す百瀬の自由奔放さを演じるのが難しくて、なかなかOKが出ませんでした。最終的に振り切ってやったら、自分が想像している以上の演技ができた。観ている人からしたら、このあたりが気持ちいいのかなと思います」
 難役を演じ切った彼女だが、より良い演技のためには、もっといろいろなことをいろいろな人の気持ちになって考えられるようになりたいと話す。
「そのために多くの人と話すようにしていますし、いろいろな場所に出向くようにもなりました。映画館もその一つで、観客の雰囲気を感じることも大事だなって。『百瀬、こっちを向いて。』も映画館でこっそり観てみようと思っているんです。ウィッグつけて帽子を深くかぶって、マスクしてたらバレないかなって」
 人見知りだった早見あかりだが、今は演技のためなら、そんな冒険も厭わない。

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百瀬、こっちを向いて。』
中田永一の同名小説を映画化。監督は耶雲哉治、脚本は狗飼恭子。小説は相原ノボルの一人称で書かれているが、映画化にあたり、百瀬陽をクローズアップ。原作とは別の魅力を秘めた作品に仕上がっている。5月10日、全国公開。©2014 映画百瀬、こっちを向いて。」
製作委員会

text/
Hiroya Ishikawa

本記事は雑誌BRUTUS777号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は777号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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居住空間学2014(2014.05.01発行)

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