ライフスタイル

家具も食器もデザインも作られた時代の世界観を楽しむ。

愛用品と部屋。

No. 777(2014.05.01発行)
居住空間学2014
【マシュー・マテゴの壁付けラック】 玄関の壁付けラックはフランスのデザイナー、マシュー・マテゴの作で1950年代製。「フレンチ・ミッドセンチュリー特有の、ヘンテコだけどカッコいい世界観全開」。部屋の各所には武末さんが大好きな“縞付きの石”が飾られ、棚の上のオーバルボックスにも海外で拾い集めたものがたくさん。
【ドナルド・ジャッド風のベッド】 「スリットを入れたヘッドボードと、マットレスを載せる木枠とを組み合わせただけのシンプルなベッド。イメージはドナルド・ジャッドのミニマルアートなんですけど(笑)」。旧知の工務店に超ローコストで作ってもらった。自宅近くの古いビルを改装した別宅兼ショールーム〈イナフルーム〉の寝室。
【奥行きに差をつけた飾り棚】 別宅の寝室に作り付けた本棚。小物用の段は奥に立てかけたものもよく見えるよう奥行きを浅めに設計。ガラスのボトルはフィンランドのデザイナー、カイ・フランク。旅先の友人から送られた絵ハガキや「このイラスト、飾ったらかわいいなと思って」持ち帰ったエールフランスのミニパンフレットも。
【デンマークの古いキャビネット】 リビングのキャビネットはアノニマス。「15年前、北欧家具に興味を持ち始めた頃、形の美しさと機能性に惹かれて買ったもの」。棚の上には、フランスの陶芸作家ジャック&ダニ・リュエランの陶器や、西海岸の彫刻家アルマ・アレンの初期作品、鹿児島のウッドターナー、盛永省治の木の器など。
【シャルロット・ペリアンの肘掛けラウンジチェア】 ル・コルビュジエとの共同作業で知られるフランスの建築家、シャルロット・ペリアンの作。座面と背面がイグサで編まれている。「ずっと前から憧れていた椅子。5年前にパリで買いました。洗練されているけれどワイルドで、フランスの農家で使っても似合いそう。脚が太めなところもいいんですよね」
【名作ブックシェルフとカチナドール】 白と黒を組み合わせて壁付けしたパンチング材のシェルフ「デダール」は、マシュー・マテゴの名作。「木の人形は、ネイティブアメリカンが作る“カチナドール”の古いものです。工芸店に何体も並ぶ中から“どうしてもコイツらを連れて帰りたい”って選んだ2つ。一瞬で心を撃ち抜かれてしまった」
【バウハウス時代のポスター】 大のポスター好き。海外へ行くときは必ず持ち帰り用の筒を持参するほど。新旧問わず、額装したものが家の随所に飾ってある。別宅の玄関には、ガラスで有名なバウハウスの作家、ウィルヘルム・ワーゲンフェルドのスケッチを基にしたポスター。額はその都度、手作りのものをオーダーしている。
【クリナップの木製キッチン】 30年前、この家を設計した時に「木の感じが気に入って選んだ」のは、国内でも早くからシステムキッチンを導入していたクリナップ社のもの。カウンタートップや収納扉が木製で、北欧のカラフルな鍋や民芸の器も似合う温かさがある。「今でもこの感じは嫌いじゃない。好みは変わってないですね」
【シャルロット・ペリアンのダイニングテーブル】 横幅狭めのコンパクトなテーブルは、カフェの家具も多く手がけたペリアンのオリジナル。「脚の形が特徴的で、座る人の邪魔にならないよう工夫されている。使うとその意図がよく理解できます」。理解できると愛着も湧く、と武末さん。椅子は右奥がマルセル・ブロイヤー、手前がアルヴァ・アアルト。
【北欧ヴィンテージの食器】 ダイニングの食器棚。アラビアなど武末さんの店でも扱っている北欧の食器は、1930〜60年代のオリジナル。「長く作られ続けている品も、実は微妙なモデルチェンジを繰り返していて、年代によって色や柄が変わったりする。その違いを確認する基準値として、常にオリジナルを手元に置いています」
【ジャン・プルーヴェの子供用テーブル】 リビングの一角。フランスの小学校の、たぶん低学年用に作られた机。天板の右上には小さなインク壺がビルトイン。「三角柱の前脚や明るくくすんだ緑色など、プルーヴェの嗜好がギュッと詰まったデザイン」。フレンチ・ミッドセンチュリーを代表するプルーヴェの、かなり稀少なオリジナルモデル。
リビング。黒革ソファは、ポール・ケアホルム「PK31」の初期モデル。壁の棚はシャルロット・ペリアン。高額だったが、唯一無二の美しさに抗えず「車を買ったと思って」購入。
古いビルを改装した別宅のリビング。ステンレス脚のラウンジチェアは、ポール・ケアホルムの「PK25」。手前はアルネ・ヤコブセンの折り畳みテーブル。

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武末充敏
organ 店主
福岡県福岡市

たけすえ・みつとし
1949年福岡県生まれ。30年近く音楽の仕事に関わった後、99年に妻の朋子さんとデザインアイテムを扱うセレクトショップ〈organ〉を開店。自宅ビルの3階を住居、4階を店舗としている。4月からLOVE FMで音楽・旅・デザインをテーマにした番組も担当。http://www.organ-online.com

photo/
Taro Hirano
text/
Masae Wako

本記事は雑誌BRUTUS777号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は777号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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