コルク
●表参道
ゲストはワインを選ぶだけ。料理は出てのお楽しみ。
兼子大輔シェフは料理人であると同時に、大胆なチャレンジャーだ。2年前〈ラス〉をオープンした時は、夜のコースは10品5,250円のおまかせコースのみ。低価格でもクリエイティブな料理を出し、「フォワグラのクリスピーサンド」(ハーゲンダッツ風)はスペシャリテになった。そして2013年11月29日に〈ラス〉と新店〈コルク〉を移転&オープン。今度はワインをテーマにした。その仕組みは?
「ワインを選んでいただくと、それに合わせた料理が出てくる。料理は来てからのお楽しみ」。ワイン3種と前菜2+メイン1皿で6,300円、ワイン6種と前菜からデセールまで6皿の10,500円。「これ、ワインが飲める人にはものすごくお得だと思うんです。僕らも面白いワインをどんどん紹介できるし」。仏、伊、西のワインを幅広く用意し、日々、新しい料理を生み出す兼子シェフ。ワインと料理の超高速なやりとり。ここはもしかして、ガストロノミーの最前線?
超人気ワインレストランの技あり2号店。
予約で満席が続いていた人気のワインレストラン、南青山〈ラス〉と新宿三丁目〈彗富運〉が同時期に新店をオープン。さらに個性的な店を構えた。それぞれ、ワインから料理にアプローチする〈コルク〉、ワインをさらに充実させた〈銀彗富運〉。快進撃は続く!
銀彗富運
●新宿三丁目
新宿三丁目ワイン村を代表する“ワイン食堂”。
今でこそ新宿三丁目界隈は、“ワイン”を掲げているお店が増えた。が、2009年6月、大八木亨シェフが9坪の店を構えた時は周囲には居酒屋ばかり。居酒屋価格に負けない価格で料理を出し「とにかくワインを飲んでほしくて」2,000円台のボトルワインをたんと用意。じわじわと常連がついた。それもそのはず、フレンチ仕込みの腕前で、量はケチらず、質はレストラン顔負け。天草産車海老のマカロニグラタン900円、大山鶏のピラフ800円、フォワグラのポワレ800円など記憶と記録に残る名作メニューが目白押し。2年後にもう1フロア拡張した時には予約なしでは入れなくなった。そして2013年11月28日、50mほど離れた場所に〈銀彗富運〉をオープン。こちらは天井高6m、ガラス張りのセラーにはDRCがズラリと並び、一瞬「高級店?」
と思うが、ご安心を。料理の内容も値段もまったく変わらない。「今後は炭火焼きも始める予定」というからご期待を。

銀彗富運
●新宿三丁目
飲むほどに食べる女子に
大うけ。
2人で食べて飲んで、
12,000円。
03・6457・4249
●東京都新宿区新宿3−2−7 PLAZA EST B1。17時~23時LO。日曜休。交通:都営・東京メトロ新宿三丁目駅から徒歩3分。カウンター6席、テーブル20席、個室8名まで。メニューは毎日、大八木シェフが手書きで更新。前菜10種は各500円、おまかせで3品盛り合わせにすると1,000円。山口産とらふぐのテリーヌ、群馬県産豚肉の和風ポテトサラダ、スペイン産生ハムと津軽リンゴの盛り合わせなど、ワインが進む料理ばかり。ワインはフランス産のみ。リストはなく、好み、飲みたいタイプを相談すれば3,000円台でも十分おいしいのを出してくれる。ちなみにストックは3,000円から100万円のロマネ・コンティまで100種。

コルク
●表参道
ワイン好きの女性なら
喜ばないわけがない。
2人で15,000円。
090・6008・4069
●東京都港区南青山4−16−3南青山コトリビル1F。17時30分~22時30分(日・祝17時~22時)。火曜休。交通:東京メトロ表参道駅から徒歩7分。カウンター18席。南青山の住宅街の一角。通りに面した場所に全面ガラス張りの店構え。コの字型のカウンター席のみ。奥には〈ラス〉があり以前と変わらない形で営業(予約電話☎080・3310・4058)。2店の間に厨房があり、兼子シェフは両方の料理を常にチェック。「2店目を出すと、僕がいる店といない店ができてしまう。それを避けるため、両方の厨房に立つ方法を考えたのがこの形だったんです」。シェフソムリエの田辺公一氏も2店を行き来。ゲストにとっても選択肢が広がって好評。
- photo/
- Muneaki Maeda
- text/
- 犬養裕美子
本記事は雑誌BRUTUS772号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は772号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。