銀彗富運/コルク

グルマン温故知新

No. 772(2014.02.15発行)
日本一の「お取り寄せ」最終案内

コルク

●表参道

ゲストはワインを選ぶだけ。料理は出てのお楽しみ。

 兼子大輔シェフは料理人であると同時に、大胆なチャレンジャーだ。2年前〈ラス〉をオープンした時は、夜のコースは10品5,250円のおまかせコースのみ。低価格でもクリエイティブな料理を出し、「フォワグラのクリスピーサンド」(ハーゲンダッツ風)はスペシャリテになった。そして2013年11月29日に〈ラス〉と新店〈コルク〉を移転&オープン。今度はワインをテーマにした。その仕組みは?
「ワインを選んでいただくと、それに合わせた料理が出てくる。料理は来てからのお楽しみ」。ワイン3種と前菜2+メイン1皿で6,300円、ワイン6種と前菜からデセールまで6皿の10,500円。「これ、ワインが飲める人にはものすごくお得だと思うんです。僕らも面白いワインをどんどん紹介できるし」。仏、伊、西のワインを幅広く用意し、日々、新しい料理を生み出す兼子シェフ。ワインと料理の超高速なやりとり。ここはもしかして、ガストロノミーの最前線?

超人気ワインレストランの技あり2号店。

予約で満席が続いていた人気のワインレストラン、南青山〈ラス〉と新宿三丁目〈彗富運〉が同時期に新店をオープン。さらに個性的な店を構えた。それぞれ、ワインから料理にアプローチする〈コルク〉、ワインをさらに充実させた〈銀彗富運〉。快進撃は続く!

フランス産真鴨のローストと津軽リンゴのソテーモザイク仕立て このボリュームで1,300円。ソテーしたリンゴは酸味も甘味も凝縮して鴨とよく合う。レストランだったら、この値段、この量では出せない。「うちに来るお客さんは、レストランには行ったことがない人もいれば、高級店にさんざん通った人もいる。その両方を満足させるのは、きちんとした素材を使うこと」

アンディーブとゴルゴンゾーラ、マスカルポーネ 上から蜂蜜をかけて。塩味がピリリと辛いゴルゴンゾーラとまろやかなマスカルポーネを混ぜて、ほろ苦いアンディーブと蜂蜜をいっしょに。口の中でふくよかな味わいが広がる。赤ワインに合う! 700円。

瀬戸内海の大穴子と安納芋のミルフィーユ 安納芋は種子島のサツマイモ。1時間かけてしっかりとふかす。フレンチで定番の焦がしバターのソースにはケッパーとレモンで酸味をプラス。甘く、ほっくりしたミルフィーユに、コクと酸味のソースがよく合う。700円。

銀彗富運

●新宿三丁目

新宿三丁目ワイン村を代表する“ワイン食堂”。

 今でこそ新宿三丁目界隈は、“ワイン”を掲げているお店が増えた。が、2009年6月、大八木亨シェフが9坪の店を構えた時は周囲には居酒屋ばかり。居酒屋価格に負けない価格で料理を出し「とにかくワインを飲んでほしくて」2,000円台のボトルワインをたんと用意。じわじわと常連がついた。それもそのはず、フレンチ仕込みの腕前で、量はケチらず、質はレストラン顔負け。天草産車海老のマカロニグラタン900円、大山鶏のピラフ800円、フォワグラのポワレ800円など記憶と記録に残る名作メニューが目白押し。2年後にもう1フロア拡張した時には予約なしでは入れなくなった。そして2013年11月28日、50mほど離れた場所に〈銀彗富運〉をオープン。こちらは天井高6m、ガラス張りのセラーにはDRCがズラリと並び、一瞬「高級店?」
と思うが、ご安心を。料理の内容も値段もまったく変わらない。「今後は炭火焼きも始める予定」というからご期待を。

羊のスネ肉の煮込み 白ワイン3種から、スペインのリヤス・バイシャスを選んだら、出てきたのがフランスのバスク地方の郷土料理、ピペラート(ピーマン、トマト、タマネギ、ニンニクの煮込みで、ピリリと唐辛子が効いている)と羊の組み合わせ。ちなみにサンセールを選ぶと豚、アム・ベルクだとサバが用意されていた。

フォワグラのコンフィとレタス 兼子シェフはフォワグラ料理が得意。「でも〈ラス〉ではクリスピーサンドを楽しみに来る方ばかりなので変えられない。こっちで新メニューに挑戦します」。アルザスの自然派ワイン「ケフェルコフ」にはこれを。

チョコレートのマルキーズ アンリ・ジローの「ラタフィア・ド・シャンパーニュ」。ブランデーを添加した酒精強化ワインで樽熟成。「これを飲んでいただきたくて」合わせるデセールにもブドウジュース、コニャックゼリー使用。大人のマリアージュ。

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銀彗富運
●新宿三丁目
飲むほどに食べる女子に
大うけ。
2人で食べて飲んで、
12,000円。
03・6457・4249

●東京都新宿区新宿3−2−7 PLAZA EST B1。17時~23時LO。日曜休。交通:都営・東京メトロ新宿三丁目駅から徒歩3分。カウンター6席、テーブル20席、個室8名まで。メニューは毎日、大八木シェフが手書きで更新。前菜10種は各500円、おまかせで3品盛り合わせにすると1,000円。山口産とらふぐのテリーヌ、群馬県産豚肉の和風ポテトサラダ、スペイン産生ハムと津軽リンゴの盛り合わせなど、ワインが進む料理ばかり。ワインはフランス産のみ。リストはなく、好み、飲みたいタイプを相談すれば3,000円台でも十分おいしいのを出してくれる。ちなみにストックは3,000円から100万円のロマネ・コンティまで100種。

コルク
●表参道
ワイン好きの女性なら
喜ばないわけがない。
2人で15,000円。
090・6008・4069

●東京都港区南青山4−16−3南青山コトリビル1F。17時30分~22時30分(日・祝17時~22時)。火曜休。交通:東京メトロ表参道駅から徒歩7分。カウンター18席。南青山の住宅街の一角。通りに面した場所に全面ガラス張りの店構え。コの字型のカウンター席のみ。奥には〈ラス〉があり以前と変わらない形で営業(予約電話☎080・3310・4058)。2店の間に厨房があり、兼子シェフは両方の料理を常にチェック。「2店目を出すと、僕がいる店といない店ができてしまう。それを避けるため、両方の厨房に立つ方法を考えたのがこの形だったんです」。シェフソムリエの田辺公一氏も2店を行き来。ゲストにとっても選択肢が広がって好評。

photo/
Muneaki Maeda
text/
犬養裕美子

本記事は雑誌BRUTUS772号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は772号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.772
日本一の「お取り寄せ」最終案内(2014.02.15発行)

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