ライフスタイル

勝負できない自分。

箭内道彦、エリイ、大根 仁「おなやみ相談室」

No. 771(2014.02.01発行)
コレクター

東京の大学を出てカメラマンになり、7年働きましたが、憧れの人物撮影の仕事は皆無。九州の地元で結婚し、子供も5人できて、商店街の店の撮影などを細々やっています。このまま終わるのかと思うと勝負したい気持ちが抑えられず、そのたびに妻に当たってしまうのですが、東京に出る勇気もなく悩んでいます。(カメラマン/42歳/男)

箭内
5人の子供と奥さんを連れて東京に出るのは無謀というか、難しいでしょうね。ただ、あなたの家族はすごくいい人物撮影のモデルなのでは? 彼らを撮り続けてウェブに載せてもいいし、コンテストに応募してもいい。それが本当にいい写真なら、どこにいても絶対にデビューできる。自分から東京に出なくても逆に呼ばれると思います。毎日撮り続けることで、写真の壁に当たって何か見つかる気もしますね。今は音楽もそうですが、地方からスターが出る時代。自分がどこにいるのかはあまり関係なくなってきている気がします。

エリイ
商店街にはめっちゃ人がいますよね。人物撮影が好きなら、商店街の名物おじさんを撮ればいいじゃないですか。集中して好きなことをやっていれば人に当たりません。自分のことを振り返ると人に当たるのは、意識が散漫になっていて満足していない時です。東京が好きならたまに東京に縁のある投稿ページに写真を投稿してみましょう! きっと気持ちが和らぎます。向き不向きも知れるでしょう。

大根
なにも東京に出てこなくても地元でしか撮れない写真がたくさんありそうな気がしますが。「東京でそれなりにやってるお前が言うな」って話かもしれませんけど、あなたはカメラマンになりたいんじゃなくて、東京で活躍してチヤホヤされたいんじゃないですか? それはそれで否定しませんが、邪な気持ちで撮る東京の人物写真より、身近にいる可愛い5人の子供たちの写真の方が見たいですけどね。ほかにも地元であなたしか撮れないロードサイドの風景やショットがいくらでもあるはずです。「田舎にはそんなのねえよ!」と仰るならば、それはもうそもそもカメラマンの素質がないんじゃないでしょうか?

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箭内道彦クリエイティブディレクター。4月25日〜、表参道ヒルズで『箭内道彦〜月刊 風とロック展』。

エリイ/Chim↑Pomのミューズ。作品集『We Don't Know God: Chim↑Pom 2005-2019』が発売。

大根 仁/映像ディレクター。最新作は映画『恋の渦』。4月にドラマ『リバースエッジ 大川端探偵社』がOA。

illustration/
sigo_kun

本記事は雑誌BRUTUS771号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は771号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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コレクター(2014.02.01発行)

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