建築・インテリア

あの名作住宅も、木でつくられました。

木の家を知る。

No. 768(2013.12.02発行)
木の家
1 聴竹居(1928年) 設計/藤井厚二 環境工学の研究者・藤井厚二が設計した自宅であり、日本の住宅の改良を試みるための実験住宅。京都の大山崎にある。伝統的な数寄屋と、モダンデザインの融合を試み、かつ日本人の身体感覚に合った住み心地を探求。木造モダニズムの先駆けであるが、この家の場合は仕方なくではなく、意識的に木造を用いている。写真/古川泰造
2 森の中の家(1962年) 設計/吉村順三 コンクリート打ち放しの1階部の上に木造の2階がオーバーハングした画期的な構成。竪板張りの外壁に、片流れの屋根、戸袋に引き込める広い開口部。豊かな内部空間から、森の景色が一望できる。のちの建築家たちに多くの影響を与えた別荘建築で、日本人によるモダニズム住宅の記念碑的建築の一つ。写真/古川泰造
3 小出邸(1925年) 設計/堀口捨己 コルビュジエのモダニズムが面で構成するのに対し、線で構成したのがオランダの芸術運動「デ・スティル」の中心メンバーであるヘリット・リートフェルト。「リートフェルトを日本でやってみたかったのが堀口捨己」と米山氏。抽象的な構成美で貫かれたこの家は、前川邸同様、江戸東京たてもの園に移築されている。写真/清水 襄
4 前川國男邸(1942年) 設計/前川國男 前川國男は日本人で最初にル・コルビュジエに学んだ建築家であり、帰国後はレーモンド事務所を経て独立。木造住宅も、延床面積100㎡以下に制限される戦時下で設計した自宅は、制約を逆手にとって、最小限の構造体で最大限の空間を確保するモダニズム建築の手法を実践。同時に伝統の佇まいとの融合を図った。写真/吉村行雄
5 土浦亀城邸(1935年 設計/土浦亀城 まさに「これ、木造?」と聞きたくなる、木造モダニズムを代表する住宅。白くて四角い、装飾を排除した幾何学造形を、木造乾式構造で実現。米山氏いわく「木造に見えない、という点で先駆的」であり「ライトの空間、コルビュジエの外観を持つ。前川國男邸にも影響を与えたと思われる」住宅である。写真/清水 襄
6 飯箸邸(1941年) 設計/坂倉準三 フランスのル・コルビュジエの事務所で働き、その後、1937年「パリ万博日本館」の設計でグランプリを受賞、建築家デビューを果たした坂倉準三が、帰国後独立して最初期につくった住宅。時代はすでに戦争による資材統制が始まっており、限られた建築面積のなかで、モダニズムの明晰な精神を日本の民家に反映させた。写真/吉村行雄
7 夏の家(1933年) 設計/アントニン・レーモンド チェコ出身のレーモンドは、日本人建築家がモダニズムを獲得していく系譜の重要人物。弟子に、前川國男、吉村順三などがいる。軽井沢の「夏の家」は、その代表作である。ル・コルビュジエが雑誌に発表した「エラズリス邸」を、そっくり木造でつくり、一度は激怒した氏が、出来栄えのよさに承認したという傑作。写真/清水 襄
8 森博士の家(1951年) 設計/清家 清 大阪万博のスイス館の設計や、アメリカ館のディスプレイなども手がけた清家清は、モダニズム住宅の名手でもあった。デビュー作であるこの家は、戦後モダニズム住宅の出発点とも評される。畳や障子といった伝統のアイテムを用いながら、モダンな空間構成に意欲的に取り組んだ。ちなみに森博士は、森鴎外の長男。写真/新建築社

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text/
Yuka Sano
edit/
Tami Okano
special thanks/
cooperation/Gallery A4

本記事は雑誌BRUTUS768号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は768号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.768
木の家(2013.12.02発行)

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