ビストロ ヴィヴァン/イバイア

グルマン温故知新

No. 766(2013.11.15発行)
ラブソング

東京ビストロ新定番は炭火焼き、ワインはもちろん自然派。

次々にオープンするフレンチビストロの共通項は、炭火焼き。中でも、ダイナミックに調理した肉と自家製野菜にバスク風のテイストを取り入れた〈イバイア〉、世界中から揃えた銘柄肉に古都野菜が美しい〈ビストロ ヴィヴァン〉。自然派ワインもグッとリーズナブル。

仏バスク産マネッシュ豚肩ロース 炭焼き フランスとスペインの国境近く。バスクの白豚で、まだ、日本ではあまり知られていない素材。赤身が強く見た目には牛肉のよう。味も強く、豚とは思えない。丁寧にじっくりと火を入れていくので、注文はお早めに。肉汁で作る粒マスタードのソースと野菜を添えて。100g950円、注文は200gより。

冷やしフォアグラ タルティーヌ風 パリのネオビストロブームを作った〈ラ・レガラード〉の人気メニュー。フォアグラの塊の表面に焦げ目をつけて、そのまま冷製に保ち、パテ風にカットして提供。イチジクのチャツネを少し添えてパンと一緒に。1,000円。

古都野菜 炭焼き 東京のシェフにも大人気の鎌倉野菜と京野菜を一皿にした“古都野菜”。今の時季は鎌倉野菜が豊富。カブ、ナス、色とりどりのピーマンなど。ソースはカニ味噌、アンチョビ、ニンニク、オリーブなど。1,200円。

ビストロ ヴィヴァン

神田

フレンチ不毛地帯にいよいよネオビストロが誕生。

 JR神田駅周辺の立ち飲み屋が並ぶ雑踏を抜けて5分。司町交差点にオープンしたこちらは界隈では珍しいビストロだ。料理はご覧の通りパリのネオビストロのスタイルでリーズナブルだが、オーナーいわく「ギリギリの値段設定」(グラスワイン500円〜、前菜1,000円前後、メイン2,000円前後)。
 佐賀県産酵素ポークのスペアリブ100g800円、黒毛和牛のしんたま100g1,600円、フランスヴァンデ産ウズラ1羽1,350円、熊本産赤毛リブロース100g1,9
80円など。一つ一つ厳選した素材をシンプルに炭火焼きで仕上げる。鎌倉京都など“古都”の野菜も魅力の一つだ。シェフはパリで2年、人気のビストロで修業してきた井上武士シェフ。「何も期待せずに来た人が、帰る時に“また、来る”と喜んでくれるのが一番励みになりますね」。良質な素材をシンプルに調理、持ち味を最大限に引き出す。神田にもいよいよビストロ旋風が舞い降りた。

岩中豚のバスク風ロースト 旨味の強さでお馴染みの岩中豚。その表面にバスク地方ではお馴染みのスパイス、パプリカの甘口(粉末)とニンニクをすり込んでオーブンで火を入れる。仕上げに炭火でいぶし、豚肉をロゼに仕上げる。350gものボリュームといえども、エキゾティックな香りと肉のジューシーさゆえ一気にペロリ。2,400円。

タラのポテトサラダ 南フランスの代表的な地方料理、ブランダード。やわらかく戻した干しダラをほぐして牛乳で混ぜたクリーミーな“ポテトサラダ”。野菜メニューは常時7〜8種。兼安さんの実家で育てた野菜が届く。500円。

南瓜のフリッターカレー味 南瓜も兼安さんの実家で作られた野菜。「年間を通して野菜を作っています。私も以前の店の時から、昼は畑仕事、夕方に野菜を持って店に出てました」。野菜は鮮度が命。まさに朝採れ野菜ならではの力強い味。750円。

イバイア

東銀座

あの名店からソムリエール&シェフが独立。

 オーナーソムリエの兼安聡子さんの“強運”は大したもの。12年働いてきた〈マルディ グラ〉を辞め「自家農園で趣味の野菜作りでも」と実家に帰ったものの半年で「やっぱり仕事をしたい!」と独立を決意。「物件探しの1件目がここでした」。半年、1年ともいわれる都心の物件探しを、なんと初日、1件目にして見つけてしまった。さらにかつての同僚、深味雄二シェフも独立を予定して帰郷していたところ。「そこをなんとかお願いして、シェフになってもらいました」。2人の師匠である和知徹シェフのアドバイスもあり、7月7日に無事オープン。
「野菜と肉。自家菜園の野菜と、厚切りや塊で味わう肉。フランスでも南西部のバスク地方の味を生かしていきたい」と深味シェフ。火の入れ方が非常に控えめなのが特徴だ。さりげなくジャスミン米を用意したのもナイスな選択。香りがよく、そこがフレンチにも合う、これがニッポンの日常フレンチ。

カテゴリの記事をもっと読む

ビストロ ヴィヴァン
神田
仕事帰りに一杯の気分で自然派ワインをグビ。
ワインをしっかり飲んでも2人で10,000円。
03・6854・3408

●東京都千代田区内神田1−18−11東京ロイヤルプラザ1F。11時30分〜14時、18時〜23時(金〜24時、土・日・祝〜22時)。月曜休。交通:JR神田駅から徒歩5分、東京メトロ淡路町駅から徒歩3分。ランチ1,200円(パン、サラダ、前菜、メイン、コーヒーか紅茶)。夜はアラカルトで。井上武士シェフは銀座の洋食からこの道に入り、御茶ノ水〈オークス〉で今の店のオーナーと出会う。その後、渡仏し〈レストラントヨ〉〈ラ・レガラード〉など人気店を経験し帰国。28歳でシェフに抜擢。料理はパリの現在進行形、ワイン約60種も自然派を超格安で提供。グラス500円〜、カラフ2,000円〜、ボトル2,500円〜。

イバイア
東銀座
銀座ショッピングの後に気楽なディナーを
予算は2人でボトル1本飲んで約10,000円。
03・6264・2380

●東京都中央区銀座3−12−5。17時〜22時LO。月曜休。交通:東京メトロ東銀座駅から徒歩3分。店名はバスク語で「川」という意味。そのココロは川の流れに乗って、人が集まっているように。メニューには兼安さんの実家から送ってくる野菜をたっぷり使ったものや、肉料理のコーナーが。2人の出身〈マルディ グラ〉のダイナミックな料理がベース。3日前までの予約で受け付けるのが、炭火焼きの“丸ごと”メニュー。牛1キロ、豚モモ丸ごと、仔羊モモ、1キロBIGハンバーグ、仔豚丸ごとなど。自然派ワイン50種はグラス500円〜、ボトル3,000円〜。チャージ料1人525円、カードはビザ、マスターのみ利用可能。

photo/
Muneaki Maeda
text/
犬養裕美子

本記事は雑誌BRUTUS766号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は766号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

No.766
ラブソング(2013.11.15発行)

関連記事