Fun Cooking 2「フライパン1つで焼く・煮込む・燻す」原太一

世の中が変わるときは、料理をしよう。 presented by AJINOMOTO PARK

BRUTUS.jpオリジナル記事

一見、ハードルが高そうに見えるけれど、実はフライパン1つで完成。作る工程も楽しく、達成感も得られるごちそうレシピを教えてくれた〈PATH〉、〈LIKE〉の原太一シェフ。1年前からYouTubeで動画レシピを配信する原シェフが、料理人として、一人の食べ手として「料理をする」ことについて、今、思うこととは。

店のお客様に以前から「料理教室をやってほしい」と、よく言われていたんです。自分でも面白そうだな、やってみたいな、と思いながら、日々の業務に追われてなかなか踏ん切りがつかなかった。だから2020年の春に緊急事態宣言が出され、時間ができたときに、動画配信という形で始めてみたんです。もちろんレストランオーナーとして危機感も抱いていた。店の厨房を止めることなく動かし続け、〈PATH〉、〈LIKE〉として何かを発信し続けなければ、と。やってみたら予想以上の反響がありました。誰もが家にいる時間が増えた時期というのもあったけれど、みんな料理をすること、おいしいものを作ることに興味があるんだなと、気づかされました。そう、「食べる」のはもちろん、「作る」ことの方にも。
そこから配信用のレシピをあれこれ工夫するのが楽しくなってきて。僕らがレストランでお出しするような料理を、手に入りやすい材料や家庭の調理器具で失敗なく作るには、どうしたらいいか。大きな塊で焼くローストビーフや、一から作るサバの燻製だって、フライパン1つで作れるなら挑戦したいっていう人はいるはず、と。例えば部屋のインテリアをDIYするように、作る工程からもう楽しくって、誰かに見せたい、食べさせたいって思うように出来上がれば、また料理がしたくなりますよね。
 ちょうど同じ頃から、僕自身も、朝食を自分で作って食べるようになった。時間ができたというより、日々の運動量が減って、体が緩んでいくのを感じたのがきっかけです。料理人修業を始めた20代の頃から考えても、初めてのことです。食は「自分の体に向き合う」ことと直結している。さらに、自分で料理をするようになれば、誰もが材料の肉や野菜が、どんなものなのか、多少なりとも気にするようになりますよね。たくさんの人が料理を楽しむことは、世の中をほんの少しずつでもいい方に動かす力になる。改めて今、そんなふうに感じています。



Profile
はら・たいち/1981年生まれ。大学卒業後、中目黒〈コムダビチュード(現在は閉店)〉で3年修業。カフェ、フランス料理店、ビストロなどで働き新宿〈キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ(現在は閉店)〉でトップガストロノミーの料理も学ぶ。2011年独立。現在、渋谷〈Bistro Rojiura〉、代々木公園〈PATH〉、白金台〈LIKE〉3店舗を経営。2020年5月にYouTubeチャンネル「PATH HOME COOKING RECIPE」を開始。Instagram @path_restaurant


Index
1. ローストビーフ
2. 鶏ももスパイストマト煮込み
3. サバの燻製サラダ


ローストビーフ

オーブン要らずのローストビーフをエスニックソースで。

Ingredients (5~6人分)
・牛もも肉(ブロック) ……700g
・塩………………………………大さじ1
・黒コショウ …………………適量
・ピュアオリーブオイル………大さじ4
・ニンニク ……………………1片
・タイム ………………………適量

(ソース)
・ニンニク………………………1/4片
・赤タマネギ …………………1/2個
・パクチー ……………………1束
・ライム ………………………大さじ1と1/2
・醬油……………………………大さじ2


Directions
1. あらかじめ常温に戻しておいた牛もも肉の表面に塩、黒コショウをまんべんなく振り、10分置く。キッチンペーパーで余分な水分を軽く拭き取っておく。
2. フライパンを弱火にかけ、ピュアオリーブオイル、ニンニク、タイムを入れたあと、牛もも肉を焼く。フライパンの中のオリーブオイルをスプーンで回しかけ、全体にムラなく焼き色がつくよう返しながら、約20分かけて火を通す。すべての面が焼けるよう、何度も繰り返す。肉に金串を刺し、唇の下に当ててほんのり温かく感じるぐらい(心温55℃程度)が火入れの目安。
3. 火を止めてアルミホイルで包んで30分休ませ、余熱で火を通す。
4. ソースを作る。ニンニク、赤タマネギ、パクチーをみじん切りにし、半分に切って搾ったライム果汁、醬油と合わせる。
5. 3を薄切りにして皿に盛り付け、4のソースを添える。



Chef’s Comment
オリーブオイルを回しかけながら、オイルの熱で温めてあげるイメージで、じっくりと火を入れてください。アルミホイルに包み、休ませることで肉汁が落ち着き、余熱でさらにじんわり火が入ります。パクチーを刻み、ライム果汁を使ったソースを添えれば、フレッシュでエスニックな味わいに。

鶏ももスパイストマト煮込み

フランスの定番家庭料理をエキゾチックにアレンジ。

Ingredients(4人分)
鶏もも肉………………………2枚
ナス……………………………1本
ズッキーニ……………………1本
ニンニク………………………2片
ショウガ………………………15g
タマネギ………………………1個
トマト…………………………3個

ピュアオリーブオイル………大さじ11
塩………………………………少々
クミンシード ………………小さじ1
カルダモン(ホール)………4粒
コリアンダー(パウダー)…小さじ1
パプリカ(パウダー)………小さじ1

チキンストック………………300ml
ローリエ………………………2枚
タイム…………………………適量
塩………………………………小さじ1

塩………………………………ひとつまみ
イタリアンパセリ……………適量

Directions
1. 鶏もも肉の下処理をする。余分な皮やスジを取り除き、半分に切る。
2. 野菜を切る。ナスとズッキーニは、厚さ1cmに切る。ニンニク、ショウガ、タマネギはみじん切りにする。トマトはヘタを取り、1cm角の角切りにする。
3. フライパンを中火にかけ、ピュアオリーブオイル大さじ2を引く。1の鶏の身側に塩少々を軽く振り、皮目から焼く。皮がパリッと焼けたら裏返し、サッと焼いて取り出し、フライパンを洗う。
4. フライパンを中強火にかける。ピュアオリーブオイル大さじ2を引いて2のナス、ズッキーニを並べる。両面に焼き色がついたら取り出し、フライパンを洗う。
5. フライパンを中火にかける。ピュアオリーブオイル大さじ7を引いて、オリーブオイルが温まったらカルダモン、クミンシードを入れ、焦がさないように炒める。色づいたらニンニク、ショウガを加え、香りがたったらタマネギを加える。軽く色づくまで炒めたら、コリアンダーパウダー、パプリカパウダーを加え、さらに軽く炒める。
6. 5にトマトを加え、角が取れてしっかり煮詰まったら、チキンストック、3の鶏肉、ローリエ、タイム、塩小さじ1を加え、蓋をして弱火で約30分煮込む。
7. 塩ひとつまみで味つけする。ナス、ズッキーニを加えてひと煮立ちさせる。
8. 器に盛り付け、手でちぎったイタリアンパセリを添える。




Chef’s Comment
南フランスなどで定番のトマト煮込みも、スパイスを加えればエキゾチックな味に仕上がります。スパイスを焦がすと苦味が消えないので、絶対に焦がさないようにする点だけ気をつけて。うまく作れたら、スパイスや野菜をお好みでアレンジしてみて下さい。

サバの燻製サラダ

燻製をDIY、いつものサラダに変化球。

Ingredients (4人分)
サバ……………………………1切
塩………………………………サバの重量の3%

ジャガイモ……………………1個
ブロッコリー…………………1/2個
リンゴ…………………………1/4個
プチトマト …………………7個

スモークチップ(桜)………20g
グラニュー糖…………………適量

(ドレッシング)
赤ワインビネガー(「KEMAL KÜKRER」〈Uzum〉)…大さじ1/2
EXバージンオリーブオイル…大さじ1
はちみつ………………………小さじ1/3
塩………………………………ひとつまみ

フルール・ド・セル…………少々
ディル…………………………適量

Directions
1. サバの薄皮を剝がして、重量の3%の塩を両面にまんべんなく振り、ラップで包んで30分マリネする。
2. 1の表面の塩を洗い流し、ペーパータオルなどで水分を切る。
3. フライパンにアルミホイルを敷いてスモークチップをのせ、グラニュー糖をひとつまみかけて中火にかける。煙が立ち始めたらフライパンに網をのせ、2の皮目を下にして網にのせる。蓋をして片面4分ずつ、計8分スモークする。
4. ジャガイモはよく洗い、芽がある場合は取り、皮付きのまま半分に切り、厚さ3mmに切る。ブロッコリー、リンゴは一口大にカットする。プチトマトはヘタを取り、1/2に切る。
5. 鍋に湯を沸かしてブロッコリーをさっと(*約30秒)ゆで、氷水に浸し色止めをする。同じ鍋でジャガイモを柔らかくなるまでゆで、ざるで水気を切る。
6. ドレッシングを作る。赤ワインビネガー、EXバージンオリーブオイル、はちみつ、塩をボウルに入れてよく混ぜる。
7. ブロッコリー、ジャガイモ、リンゴをボウルに入れてドレッシングとフルール・ド・セルであえる。
8. 7を皿に盛り、2cm幅にカットしたサバをのせ、プチトマト、ディルを飾る。




Chef’s Comment
燻製だってフライパンだけでDIYできるんです。自家製だと市販のものより塩分も控えめで、サバのふっくらとした食感、脂の旨味を生かした仕上がりにできます。いろんな食感のある野菜を組み合わせて、果物の甘味を加えれば、たくさんの野菜を飽きずに食べられます。ドレッシングに加えて最後にフルール・ド・セルを足すことで、塩味に立体感が生まれます。

カテゴリの記事をもっと読む
photo/ Satoko Imazu text/ Kei Sasaki movie/Taichi Hara(PATH/LIKE), Norichika Inoue(Nowri Inc.) title design/Yu Seida (thought.)
BRUTUS.jpオリジナル記事

関連記事