お菓子

LE CAFÉ DU BONBON|久保田由希

店を持たない評判のパティシエ。

BRUTUS特別編集(2017.04.15発行)
BRUTUS特別編集 合本・最高のおやつ
スクリーンがあって、助手がいて、という教室とはまるで違う。材料を用意していたかと思えば、生徒の前で見本を示していたり。かと思えば、道具を片づけている。先生、誰よりもよく動く。
作るお菓子を食べてもらいながら、材料の買い方、選び方から、理屈まで丁寧に説明する久保田さん。生徒の受講理由は、レシピ本を読んで、某製菓学校の人に推薦されてと、さまざまだ。
金・土曜に買える3種。ガトー・フロマージュ430円。クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、サワークリームの3種で作るチーズケーキは、カフェ時代に考案。土台もないシンプルさだけど、しっとり濃厚でジワジワおいしい。
バトン・デュ・ショコラ2本540円。フランボワーズを丸ごと焼き込んだ、軽い食感のチョコレートケーキ。
ビスキュイ・ド・サヴォワ1/8カット430円。これ以上ないシンプルなスポンジ菓子は、泡立てた生クリームを添えると極上に。

教室で伝え続ける、出来たての焼き菓子の味。

 生徒の手元に不審な⁉動きを見つけると、すかさず、“あ、そこ”と駆け寄る。当の生徒は“先生、厳しいんですよ”とこぼしつつ、楽しそうだ。久保田由希さんは、かつてブームを牽引した人気カフェなどでお菓子の開発や製造を担当していた。が、次第に「食べ手の顔が見えなくなって」始めたのが、教えること。自分のお菓子への反応が直に伝わるのがうれしくて、気がつけば14年。教室はすぐに満員になってしまうが、いまも少人数制のままだ。
「一緒に手を動かして生地を作って。焼いているときの匂い、出来たての味を覚えてもらいたい。そしてそれを家で作って、身近な人に伝えてほしいんです。焼き菓子にも出来たてならではのおいしさがありますから」
 久保田さんが作るのは、何でできているかがわかる菓子。フランスのあまりに素朴な伝統菓子ビスキュイ・ド・サヴォワのおいしさは、菓子好きの間でつとに有名だ。こうした伝統菓子の歴史や素材について話しだすと尽きない。きっとお菓子の持ついろんな景色を伝えたくて、教えている。ちなみに金・土曜だけ、その朝、焼いた3~4種を販売。教室に入りづらいという男性はそちらへ。 

久保田由希

くぼた・ゆき/〈ル・コルドン・ブルー〉の東京校、パリ校で製菓を学んだ後、カフェブームを牽引した〈カフェ・アプレミディ〉に、立ち上げから参加。2006年から製菓教室〈LE CAFÉ DU BONBON〉(東京都渋谷区元代々木町9−2☎03・3468・6442)を主宰。金曜、土曜のみ菓子販売(12時~17時30分)。http://www.bonbon.cc/

photo/
Koh Akazawa
text/
Yuko Saito

本記事は雑誌BRUTUS特別編集の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容はBRUTUS特別編集発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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