foodremedies|長田佳子

店を持たない評判のパティシエ。

BRUTUS特別編集(2017.04.15発行)
BRUTUS特別編集 合本・最高のおやつ
〈1988 CAFE SHOZO〉の1階が喫茶の場所。〈le trot〉のアンティークの器に、〈TEALABO t〉の台湾茶に合わせたケーキを盛り付ける。お店を持たない面々とは、定期的にコラボを行っている。
長田さんが初めてここを訪れたのは10年以上前のこと。店のありようが大好きで、この世界に入るきっかけとなった憧れの店でもある。そんな話を〈1988 CAFE SHOZO〉の主人と。
お菓子の一例。長田さんが作るレモンケーキには、果汁や果皮がたっぷり入っている。そのほか、メレンゲやビスコッティも。
出張喫茶でのお菓子。とろとろのプリンをひっくり返してパフェ風に。
出張喫茶でのお菓子。その名の通り、甘い香りがする蜜香紅茶に合わせたキャロットケーキとモンブラン。ローズマリーでソテーしたニンジン入りのキャロットケーキは、クリームもエルダーフラワー入りで、素朴なのに華やか。

お菓子の可能性を広げる出張喫茶という形。

 とある週末。長田佳子さんは栃木・黒磯にある〈1988 CAFE SHOZO〉で、お菓子を作っていた。アンティークの皿に盛り、台湾茶との組み合わせを提案する、出張コラボ喫茶の真っ最中。月末の水曜には自由が丘で〈カフェ リゼッタ〉のパティシエと恒例“喫茶水曜日”。さらに、熊本大阪……。〈YAECA〉のフード部門を経て2年前に独立したばかりだが、出張喫茶や茶会に引っ張りだこだ。
「その土地へ行って、街の人と出会って、そこの果物や野菜でお菓子を作る。いまはお店を持つより、こうしていろいろな人の話を聞きながら、お菓子を作る時間が楽しいんです」
 考え方も自由になる。現在ハーブでお菓子の可能性を広げられないか、模索しているところ。この日もラベンダー入りのリンゴタルトに、黒磯駅前の市で買ったフェンネルを一枝。
台湾茶には難しいだろうと思っていたお菓子も、こうしてハーブを添えると合う。この香りが、ふと記憶に触れてくれたらうれしいですね」
 キビ砂糖や米油を主に使い、ハーブが鮮やかな印象を残す個性的なお菓子は、気持ちのいい喫茶店がよく似合う。近々、どこかの出張喫茶で。

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長田佳子

おさだ・かこ/パティスリー、レストラン等で修業を積んだ後、〈PLAIN BAKERY(YAECA)〉でのお菓子の商品開発を経て、2015年独立。現在は、不定期ながら、東京外苑前〈doinel〉への卸を中心にして、出張喫茶や教室などを行っている。著書に『foodremediesのお菓子』。http://foodremedies.info/

photo/
Koh Akazawa
text/
Yuko Saito

本記事は雑誌BRUTUS特別編集の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容はBRUTUS特別編集発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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