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ボカロに興味を持ったら、まずは可不(KAFU)に注目!ボカロ/音楽評論家・鮎川ぱてが解説

食わず嫌いカルチャーをはじめる。難しそう、古くさそう、クセが強そう。興味はあるけど、何かとハードルが高く、食わず嫌いしているカルチャーがある。一体どんな作品から入れば楽しめるのか、その面白さをよく知るプロたちに、はじめ方を聞いた。

text: Keisuke Kagiwada

教えてくれた人:鮎川ぱて(ボカロP、音楽評論家)

2021年、新たな広義のボーカロイドのキャラが誕生した。その名は可不(KAFU)。

ボカロP(ボーカロイドなどの音声合成ソフトで楽曲制作する音楽家)にして音楽評論家である鮎川ぱてさんによれば、「新しいキャラが登場すると、旬のボカロPがそれに触発されて次の時代の名曲を書く」という。現在110万曲以上あるといわれるボカロ曲の大海原にこれから分け入るなら、可不に注目すべし。

「可不の曲でまず聴くべきは、1年を待たず100万再生を突破した、ツミキさんの『フォニイ』と柊マグネタイトさんの『マーシャル・マキシマイザー』で、特徴はテンポの速さと情報密度。

高速ボカロックは、2010年頃にボカロPとして大活躍していたwowakaさんと米津玄師さん(名義はハチ)たちが流行らせたものですが、この2曲はその系譜を引き継いでいる。
もう一曲は、ポップな曲調の中で社会問題への毒気のある言及がなされる煮ル果実さんの『バーバヤーガ』。

3曲ともボカロ内で独自の発展を遂げた音楽性が楽しめるし、知っていると言えば、ボカロに詳しい人からも一目置かれると思います(笑)」

入門におすすめの3曲。