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レコードも買えるカフェバー、下北沢〈CITY COUNTRY CITY〉。俳優・若葉竜也とリスニングバーへ

なぜ人は、リスニングバーに行くのか。旨い酒と洗練されたその選曲は、愛聴盤を新鮮に響かせ、新しく出会った一枚も名盤のように聴かせてくれる。店を信頼するゲストと店主が語る、音楽と酒の話。

Photo: Naoto Date / Text: Asuka Ochi / Styling: Mei Komiyama / Hair&make: FUJIUJIMI

レコードの良さを
ちょうどよく教えてもらえる楽さもいい

友人たちが集える場所にしたいと、レコード店にカフェバーを併設して、2006年にスタート。下北沢が舞台の映画のロケで、初めてここを訪れたという若葉竜也さん。

「シーンの撮影でナポリタンを2皿半食べたんですが、生パスタがモチモチでおいしくて。実はその後に一人でも来たんですよね。音楽は人並みに聴いてきたタイプで、レコードにも興味はあるんですが、『スター・ウォーズ』同様、どこから手をつけていいのかわからなくて」

ミュージシャンの曽我部恵一さんとともに店を経営する店主の平田立朗さんは、DJ経験もあり、海外での買い付けなども担当している。「ずっと定番で聴くだろうという自分の中の名盤を最初に買って、自ら聴く状況を作ってあげるのもいいですよ。機材もこだわりだすとゴールがなくて、面白いんですけどね」

ヴィンテージカーや1940年代の古着のデニムなど、古いものに惹かれるという若葉さん。70年代のレコードを手に取って、自分の好きなものとの共通点を発見したようだ。

「歴史があって追求できる点が、車や古着と似ていますね。自分の定番はボブ・ディランか、はっぴいえんど。最初に買うならその2枚かなぁ」

下北沢〈CITY COUNTRY CITY〉店内

こよなくレコードを愛する平田さんだが、レコード至上主義とは違う。「サブスクでも何でも、常にそこに音楽が流れていればいい気がするんです。ただ、音圧や音質においては、レコードが最高ですけど(笑)」

若葉さんも映画に置き換えて頷く。
「フィルムの匂いみたいなものには、言語化できない良さがある。そこに強いこだわりはないんですが、圧倒的にいいよと言えるのに近いですね」

2人で選んだ4枚

『Still Life(Talking)』Pat Metheny Group
『Jazz』Ry Cooder
『Float Back To You』Holy Hive
『A・I・R(Air In Resort)』吉村弘